米国下院は、2月7日(水)、連邦保健プログラムが製品の価値を決定するために、QALY(質調整生存年)を使用することを禁止する法案を可決した。
米国では、すでにメディケイドでのQALYの使用が禁止されているが、これを拡大してすべての保険プログラムでの使用を禁止するものであり、この法案は「すべての患者のための医療保護法」Protecting Health Care 4 for All Patients Act of 2023と題されている。
下院は共和党優位であるが、上院は民主党優位なので、可決される可能性は低いとの見方もある(下院では、賛成211対208)。
賛成した議員の一人キャシー・マクモリス・ロジャーズ下院エネルギー・商務委員長(共和党、ワシントン州)は、ダウン症の息子がいて、「QALYは障害者が直面する固有の生活環境を考慮していない」と法案賛成の意見を述べたとされる。一方、反対意見として、E&C委員会の委員を務めるフランク・パローン氏(民主党、ニュージャージー州選出)は、この法案は処方薬のコストを下げる努力を損なうものだと批判し、製薬業界への 「プレゼント」 と呼んだとされている。
ニュースソース
ENDPOINTSニュース
U.S. Government Information
法案の改正部分は、以下で閲覧できる。
https://www.govinfo.gov/content/pkg/BILLS-118hr485rh/pdf/BILLS-118hr485rh.pdf
また、米国のICERの閾値(Thresholds)に関する興味深い論文も参照されたい。
Peter J. Neumann, David D. Kim:Author Affiliations: Center for the Cost-effectiveness Thresholds Used by Study Authors, 1990-2021. JAMA. Volume 329, Number 15 p1312-1314, April 18, 2023
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