抄録
Peterson Health Technology Instituteの新しい報告書は、8つのデジタル糖尿病管理ツールを分析した。その結果、これらのツールは有意義な臨床的利益をもたらさず、医療支出を増加させることが判明した。
2型糖尿病は 、米国ではほぼ7人に1人が罹患し、臨床的に重大な合併症を引き起こす、最も費用のかかる慢性疾患である。糖尿病における患者の自己管理の重要な役割を考慮し、患者を主なユーザーとするデジタル糖尿病管理ソリューションの作成に多大な投資が行われてきた。これらのソリューションの中心的な目的は、血糖値の追跡と、追加的な教育やサポートを通じて、血糖コントロールの改善を支援することである。これらのソリューションは、3つの幅広いアプローチを用いている:
① 患者の遠隔モニタリング-血糖コントロールの改善を目標に、医師が患者の血糖値の遠隔モニタリングをサポートできるようにする。
② 行動および生活習慣の改善-血糖フィードバックに加えて、行動、臨床、生活習慣の改善プログラムを組み合わせて患者を参加させ、血糖コントロールとその他の健康改善を目標とする。
③ 栄養ケトーシス-糖尿病の寛解を目標に、徹底した食事指導と血糖値およびケトン体濃度のモニタリングにより、患者にケトーシス状態を誘導する。
PHTIは、各社の臨床効果と経済的影響の両方を調査した。研究者らは、評価対象企業の120論文を含む1,100以上の論文をレビューした。分析の結果、遠隔患者モニタリングと行動・生活習慣改善ソリューションは、通常のケアを受けた人と比較して、ヘモグロビンA1cのわずかな減少(しかし「臨床的に意味のある」減少ではない)しか達成しなかった。また、これらのツールは、体重減少、肥満度、血圧、コレステロールなどの他の健康因子も改善しなかったとしている。
ニュースソース
1. MedCity News: Report: Digital Diabetes Management Tools Fall Short. Mar 24, 2024 at 1:10 PM
2. Peterson Health Technology Institute :Digital Diabetes Management Solutions.
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