論文:バイオシミラーからバイオシミラーへの切り替えの実践を支持する臨床データ

2023年12月31日現在、31の観察研究が発表されており、その中には、あるバイオシミラーから同じ参照生物学的製剤の別のバイオシミラーへの切り替えを行った合計6081人の患者が含まれている。ほとんどの研究はインフリキシマブを評価しており、アダリムマブ、リツキシマブ、エタネルセプトを評価した研究は少数であった。現
在、関節リウマチ、乾癬性関節炎、軸索性脊椎関節炎/強直性脊椎炎、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)に加え、サルコイドーシスも研究対象としている。更新されたデータセットには、バイオシミラーからバイオシミラーへの切り替えに関する以前のシステマティックレビューに含まれた患者数と比較して、8件の追加研究と2386人の患者数が含まれている。
先のシステマティック・レビューが2022年に発表されて以来、欧州医薬品庁は、欧州連合(EU)におけるリファレンスからバイオシミラー、バイオシミラーからバイオシミラーへの切り替えは安全であり、切り替え後も有効性は変わらないとしている。さらに、米国食品医薬品局は、入手可能なエビデンスを検討した結果、バイオシミラー医薬品のスイッチングに関する当初の安全性および免疫原性の懸念は根拠がなく、1回以上のスイッチングにより有効性、安全性、免疫原性に差は認められないことを確認した。この新たな有効性と安全性のデータが得られたことで、欧州医薬品庁と食品医薬品局からの支持声明とともに、科学的な問題として、バイオシミラーからバイオシミラーへの切り替えは効果的な臨床行為であり、新たな安全性の懸念はないという結論が再確認された。これに反するいかなる示唆も、エビデンスによって裏付けられていない。

ニュースソース
Hillel P Cohen, Wolfram Bodenmueller: Additional Data in Expanded Patient Populations and New Indications Support the Practice of Biosimilar-to-Biosimilar Switching.
BioDrugs. 2024 Mar 23.
doi: 10.1007/s40259-024-00655-4. Online ahead of print.

 

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#バイオシミラー
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2024年3月26日
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