欧州議会、薬事規制法改正を大差で採択

欧州議会は、2024年4月10日、イノベーションを促進し、医薬品の安定供給、入手しやすさ、買い求めやすさを向上させるため、EUの医薬品関連法を改正する提案を採択した。
(以下は、欧州議会プレスリリースからの引用)

ヒト用の医薬品を対象とするこの立法パッケージは、新しい指令(賛成495票、反対57票、棄権45票で採択)と規則(賛成488票、反対67票、棄権34票で採択)で構成されている。
技術革新へのインセンティブ:欧州議会は、製造販売承認後2年間の市場保護期間(ジェネリック、ハイブリッド、バイオシミラー製品を販売できない期間)に加え、7年半の最低規制データ保護期間(他社が製品データにアクセスできない期間)の導入を望んでいる。
製薬会社は、その特定の製品がアンメット・メディカル・ニーズに対応している場合(+12ヶ月)、その製品について比較臨床試験が行われている場合(+6ヶ月)、製品の研究開発の大部分がEU内で行われ、少なくとも一部はEUの研究機関と共同で行われている場合(+6ヶ月)、データ保護期間を追加することができる。欧州議会はまた、データ保護期間の上限を8年半に設定することも求めている。
既存の治療法と比較して臨床的に大きな利益をもたらす追加的な治療適応症の販売承認を取得した場合、2年間の市場保護期間を1回だけ延長(12ヶ月増)することができる。
希少疾病治療薬(希少疾病を治療するために開発された医薬品)は、「アンメット・メディカル・ニーズ(未だ満たされていない医療上の必要性)」が高ければ、最長11年間の市場独占権が与えられる。
抗菌薬耐性(AMR)との闘い:新規抗菌薬の研究と開発を促進するため、欧州議会は市場参入報奨金とマイルストーン支払い報奨金制度(例えば、市場承認前に一定の研究開発目標が達成された場合、初期段階での財政支援)の導入を望んでいる。これらは、抗菌薬への投資を促進するために、自発的な共同調達協定によるサブスクリプションモデルスキームによって補完される。
彼らは、優先抗菌薬に「譲渡可能なデータ独占バウチャー」を導入し、承認された製品のデータ保護を最大12ヶ月間追加できるようにすることを支持している。このバウチャーは、すでに最大限のデータ保護の恩恵を受けている製品には使用できず、他の製造販売承認保持者に一度のみ譲渡可能である。(議論については省略)
次のステップ:この案件は、6月6日〜9日の欧州選挙後に新議会が追認することになる。
背景:2023年4月26日、欧州委員会はEUの医薬品関連法を改正する「医薬品パッケージ」を発表した。これには、新指令と 新規則の提案が含まれており、EUの製薬産業の競争力と魅力を支援しながら、より高い環境基準で、医薬品をより入手しやすく、利用しやすく、安価にすることを目的としている。
本報告書の採択にあたり、欧州議会は、欧州の将来に関する会議の結論の提案8(3)、10(2)、12(4)、12(6)、12(12)、12(17)、17(3)および17(7)で表明されているように、EUの医薬品に関する戦略的自律性を確保し、EU全域で質の高い安価な治療へのアクセスを確保し、供給の安全性の問題に対処し、戦略的分野への投資を行い、官僚主義を削減するという市民の期待に応えるものである。

ニュースソース
European Parliament News: Parliament adopts its position on EU pharmaceutical reform. https://www.europarl.europa.eu/news/en/press-room/20240408IPR20308/parliament-adopts-its-position-on-eu-pharmaceutical-reform

 

キーワード
#欧州議会
#医薬品戦略
#ジェネリック・バイオシミラー

2024年4月11日
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