【論文】インフリキシマブ・バイオシミラーの導入は病院のコスト削減につながるか

(PubMed抄録の翻訳)

背景: バイオシミラー医薬品は生物学的製剤であり、医療費の効率性を高め、薬剤関連のコスト上昇を抑制する可能性がある。しかし、非医療的スイッチングなどの取り組みによる病院処方への導入は、治療の中断を引き起こしたり、追加的な受診や検査などの医療資源利用の増加を招いたりしないよう、慎重に計画されなければならない。このレトロスペクティブ・コホート研究は、CT-P13の導入が、オリジネーター・インフリキシマブまたはCT-P13による治療を受けた患者の医療費支出に及ぼす影響を評価することを目的としている。

方法: スイス西部の大学病院で2017年9月~2020年12月に治療を受けた消化器内科、免疫アレルギー科、リウマチ科の患者を対象とし、治療経過(CT-P13および/またはオリジネーターインフリキシマブの使用と中止)に基づいて7つのコホートに分けた。費用は病院の原価計算部門からスイスフランで入手し、入院期間は入院患者の記録から抽出した。費用と在院日数のコホート間比較はブートストラップにより算出した。

結果: 免疫アレルギー科60例、リウマチ科84例、消化器科114例を対象とした。入院費および外来費の平均(sd)はそれぞれ、入院1日あたり1,611スイスフラン(1,020)、輸液1回あたり4,991スイスフラン(6,931)であった。平均(sd)入院期間は20(28)日であった。免疫アレルギー科とリウマチ科の患者は消化器科の患者よりも平均費用が高かったが、費用と入院期間の差は治療経路では正式に説明されなかった。医療資源利用の差はわずかであった。

結論: CT-P13の導入と患者の治療管理の中断は、他の文献で報告されている結果とは対照的に、平均外来・入院費用と入院期間の差とは関連していなかった。今後の研究では、非医療的切り替え方針の費用対効果と患者にとっての潜在的利益に焦点を当てるべきである。

ニュースソース
Marko Krstic, Jean-Christophe Devaud, Farshid Sadeghipour, Joachim Marti: Does the introduction of an infliximab biosimilar always result in savings for hospitals? A descriptive study using real-world data.
Health Econ Rev. 2024 Apr 29;14(1):31. doi: 10.1186/s13561-024-00507-5.

キーワード
#バイオシミラー
#インフリキシマブ

2024年5月7日
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