米国のジェネリック・バイオシミラー業界団体の「Association for Accessible Medicines」の一部門「Biosimilars Council(バイオシミラー協議会)」は、2024年5月30日「Streamlining the Development of Biosimilar Medicines(バイオシミラー医薬品の開発の効率化)」とするポジションペーパーを発表した。ペーパーでは、バイオシミラー医薬品に関する現行のFDAの規制プロセスを更新することの利点を概説している。具体的には、
・不必要な臨床有効性試験の排除:FDAは、分析的、機能的、PK的方法論(analytical, functional, and PK methodologies)が臨床的に意味のある差異を検出するのに十分である場合には、有効性比較試験の実施(の推奨)を控えるべきである。
・同等/同質性(biosimilarity)証明のための国際的な比較対照の確立:企業が同等/同質性実証において、米国で承認されていない比較対照製品のデータを使用しようとする場合、FDAは他地域の規制当局と協力し、グローバル比較対照(global comparators)を確立すべきである。
とする。
2010年、Patient Protection and Affordable Care Act(患者保護・医療費負担適正化法)の一部として、2009年にBiologics Price Competition and Innovation Act of 2009(生物製剤価格競争・革新法:BPCIA)を可決し、バイオシミラー医薬品の簡略化された認可経路を創設した。バイオシミラー協議会は、ポジションペーパーに含まれる提言は、安全性、有効性、品質基準を引き下げるものではなく、バイオシミラーに関連する既存の規制の枠組みの大幅な改訂を伴うものでもないとしている。また、臨床有効性試験を完全に廃止することを求めているわけではなく、科学的に正当化され、リスクに基づく考慮が明らかな例外的状況において、追加エビデンスを要求するFDAの権限を強調したものとしている。
欧米では、バイオシミラー開発プロセスの効率化の議論が進んでいるが、我が国では、バイオシミラーを開発できる企業が限定的であるため、開発規制については、殆ど議論されていない。
ニュースソース
Biosimilars Council:Biosimilars Council Calls for More Efficient Regulatory Pathways for Critical Medicines.
Biosimilars Council Calls for More Efficient Regulatory Pathways for Critical Medicines
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