【論文】バイオシミラー上市によるバイオ医薬品の価格低下

バイオシミラーの上市により価格競争が激化する。論文は、米国を含む57地域における2012年1月1日から2019年12月31日まで、8バイオ製剤(アダリムマブ、ベバシズマブ、エポエチン、エタネルセプト、フィルグラスチム、インフリキシマブ、ペグフィルグラスチム、トラスツズマブ)についてメーカー出荷価格を調査した。IQVIA MIDAS®データを使用した。

結果は、バイオシミラーの市場参入後、生物学的製剤の1用量あたりの平均薬価は、トラスツズマブで438ドル、インフリキシマブで112ドル、ベバシズマブで110ドル、直ちに引き下げられた。バイオシミラーの市場参入の持続的効果により、1回投与あたりの価格は毎年さらに低下し、アダリムマブで49ドル、フィルグラスチムで290ドル、インフリキシマブで21ドル、トラスツズマブで189ドル低下した。同様に、米国におけるバイオシミラーが4つの生物学的製剤の薬価に与える影響を分析したところ、3つの生物学的製剤の薬価は毎年有意に低下し、フィルグラスチムは955ドル、ペグフィルグラスチムは753ドル、インフリキシマブは104ドル低下した。

以上から、バイオシミラーの導入は、世界的にも米国においても生物製剤の価格を大幅に引き下げ、バイオシミラーの利用拡大による経済的利益を示すだけでなく、医療費抑制におけるバイオシミラーの重要性を強調するものであると結論付けている。

ニュースソース
Hui-Han Chen(Division of Practice Advancement and Clinical Education, UNC Eshelman School of Pharmacy, University of North Carolina, Chapel Hill, NC, United States of America): Reduction of biologic pricing following biosimilar introduction: Analysis across 57 countries and regions, 2012-19
PLoS One. 2024 Jun 6;19(6):e0304851. doi: 10.1371/journal.pone.0304851. eCollection 2024.

キーワード
#バイオシミラー
#価格変化

2024年6月11日
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