米国医療費の見通し

2024年6月12日、Office of the Actuary at the Centers for Medicare and Medicaid Services(CMS)は、HEALTH AFFAIRSに2023-32年の医療支出予測を発表した1)。今後10年間、保健医療支出の伸びは国内総生産(GDP)の伸びを上回り、GDPに占める医療支出の割合は2032年までに19.7%に達する(2022年:17.3%)と予想される。ほかも、2024年には、各州が資格の再判定を続けるため、メディケイド加入者は大幅に減少する一方、民間医療保険への加入は増加。2027年から32年にかけては、個人医療費のインフレと医療サービス・財の利用増が寄与し、医療支出は経済の他の部分を上回るペースで増加するなどの予測が示されている。

一方、6月17日、HEALTH AFFAIRS FOREFRONTに上記の記事に対するコメントが掲載された2)。この記事では、近年のGDPに占める医療支出の割合が伸び悩んだ理由についてより詳細に検討し、大不況、COVID-19のパンデミック、医療保険改革法(Affordable Care Act: ACA)の施行といった、過去に起こった一時的な出来事が大きな理由ではなかった可能性が高く、CMSの予測する医療支出の伸びを否定することは困難であるとする。

 

ニュースソース

  1. Jacqueline A. Fiore(Centers for Medicare and Medicaid Services), et al.: National Health Expenditure Projections, 2023–32: Payer Trends Diverge As Pandemic-Related Policies Fade.
    HEALTH AFFAIRS (AHEAD OF PRINT) https://doi.org/10.1377/hlthaff.2024.00469
    https://www.healthaffairs.org/doi/10.1377/hlthaff.2024.00469で全文閲覧可)
  2. Matthew Fiedler: The Outlook For US Health Spending Growth: A Blast From The Past?
    HEALTH AFFAIRS FOREFRONT. 10.1377/forefront.20240614.517072
    (https://www.healthaffairs.org/content/forefront/outlook-us-health-spending-growth-blast-pastで全文閲覧可)

 

キーワード

#米国医療支出

2024年6月25日
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