2024年6月27日公開、JAMA Networkの論文「Misaligned Pharmacy Incentives in Value-Based Care」。薬局において費用対効果のよい医薬品の使用を進めるインセンティブに変更すべきとしており、日本で問題になっている薬局薬剤師の人的サービスの議論とは論調が異なる。
米国の支払いは、バリュー・ベースド・ケア(value-based care:VBC)契約に移行しつつある。VBC契約の目的は、一般的にアカウンタブル・ケア組織(accountable care organizations:ACO)に組織される臨床医グループが、費用対効果の高い医療を提供し、価値の低い医療サービスを避けるようインセンティブを与えることである。
一方、薬局支出は米国の医療費増加の主な要因であり、2016年から2021年にかけて16%増加し、その伸びは先発医薬品と特殊医薬品に集中している。薬局支出の増加を抑制することは、ACOが目標を達成し医療費を削減するために重要である。しかし、ACOが薬局支出を抑制しようとする際のインセンティブのズレには特有の課題がある。
具体的には、高コストの新薬や、バリューベース契約における支出の測定方法の問題が指摘されている。つまり、高額な薬剤使用において薬局は、より多くのリベートを受け取り、費用対効果のよい新薬使用のインセンティブをゆがめる。そこで、政策立案者は、リベートではなく、臨床結果と費用対効果に基づいた処方設計をプランに奨励または義務付けるべきであるとしている。
ニュースソース
Nina Jain (Department of Medicine, Brigham and Women’s Hospital, Boston, Massachusetts), et al., : Misaligned Pharmacy Incentives in Value-Based Care.
JAMA Network June 27, 2024
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2820388?guestAccessKey=af05d583-0ee0-46b6-8bfb-8522614781ff&utm_source=silverchair&utm_medium=email&utm_campaign=article_alert-jama&utm_content=olf&utm_term=062724&adv=000003165313
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