NEJM 2024年7月6日公開の論文。
1983年に成立したOrphan Drug Act, ODAは、200,000人未満の患者が対象となる希少疾病の治療薬の開発を促進するために制定され、この法律により、製薬会社は7年間の市場独占権、臨床試験費用の最大50%の税額控除、FDAの使用料免除などのインセンティブを受けた。過去40年間で800以上のオーファン適応が承認され、約7000のオーファン薬指定が行われた。
しかし、依然として希少疾病に対する治療法が不足している一方で、一部の製薬企業は、ODA本来の目的から逸脱し、利益追求のために法を利用している。また、テクノロジーの進歩や精密医療の発展により、希少疾病の定義が拡大するとともに、特定のバイオマーカーによって疾患をより正確に特定できるようになっている。オーファン薬の価格は非常に高く、2019年には孤児薬の年間中央値価格が32,000ドル、一部は年間100,000ドル以上に達しており、また、一部のオーファン薬は、その後の非オーファン適応の追加により、巨額の収益を上げている。
こうした問題に対し、税額控除や独占期間の見直しの提案、特に、総収益が10億ドルを超える薬に対しては、ODAのインセンティブを撤廃することを提案している。
ニュースソース
Michael S. Sinha, M.D., J.D., M.P.H.(Center for Health Law Studies, Saint Louis University School of Law, St. Louis (M.S.S.); Harvard Business School and the Harvard–MIT Center for Regulatory Sciencenなど)et al.: Four Decades of Orphan Drugs and Priorities for the Future.
NEJM. Published July 6, 2024 DOI: 10.1056/NEJMp2401487
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp2401487?query=WB
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