本論文では、ナノ医薬品とその特許切れの代替品(ナノシミラーと呼ばれる)を評価するための強固な規制の枠組みの必要性を強調する。
ナノシミラーとは、「類似性」を説明する本質的な基準に基づき、プロトタイプのナノ医薬品と「類似」していると考えられるものである。「類似性」という用語は、表面相互作用や薬物動態を含む物理化学的、熱力学的、形態学的、生物学的特性を包含するナノキャリアを記述する基準に焦点を当てるべきである。 ナノキャリアは、その複雑さとカオス的な挙動から、高度自己組織化賦形剤(advanced self-assembled excipients:ASAE)とみなすことができ、特許切れナノ医薬品を規制の観点からナノシミラーと呼ぶためには、本質的な基準を用いて評価すべきである。
製薬業界、規制機関、人工知能(AI)ベンチャー企業間の協力は、ナノ医薬品とナノシミラーの正確な特性評価と承認プロセスにとって極めて重要であり、革新的なツールと用語を採用することで、安全性と有効性を確保し、持続可能な規制枠組みの開発を促進する。
精密なR&A;Dの実践に向けたこの重要なシフトは、ナノキャリアに内在する複雑性に対処し、経済的利益を伴う治療の進歩への道を開く。
(坂巻コメント:ナノテクノロジーに基づく治療製品をナノ医薬品とよび、タンパク質、リポソームや脂質ナノ粒子などのような人口細胞膜などが含まれる。著者は、広い意味でバイオシミラーもナノシミラーとしている。)
ニュースソース
Costas Demetzo(School of Health Sciences, Department of Pharmacy, Section of Pharmaceutical Technology, Laboratory of Pharmaceutical Nanotechnology, National & Kapodistrian University of Athens, Athens, Greece. demetzos@pharm.uoa.gr.):Nanosimilars: A Scientific or A Regulatory Debate?
AAPS J. 2024 Jul 2;26(4):74. doi: 10.1208/s12248-024-00942-6.
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キーワード
#ナノシミラー