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費用対効果分析は、医療や公衆衛生の政策決定に情報を提供するために一般的に用いられている。しかし、標準的なアプローチは、健康格差が持続しているという仮定を組み込むことにより、社会から疎外された集団に体系的に不利益を与える可能性がある。著者らは、競合リスク、ベースラインの医療費、および間接費が、人種的・民族的マイノリティ集団の費用対効果分析にどのように異なる影響を及ぼすかを検討した。
著者らは、これらの構造的要因が、不利な立場にある集団の推定質調整生存年および費用節約を減少させ、不利な立場にある集団に焦点を当てた介入を費用対効果が低く見えるようにする可能性があることを示した。例えば、砂糖入り飲料税に関する分析では、競合するリスクや保険加入状況の違いにより、白人集団と黒人集団では獲得した質調整生存年あたりの費用が高く見積もられる可能性がある。
費用対効果評価が不平等を永続させないようにするためには、異なる集団に対する構造的要因の影響を考慮し、健康の不平等が減少するシナリオを考慮した代替アプローチが必要である。健康の公平性に焦点を当てた感度分析は、不利な立場にあるコミュニティに不釣り合いに利益をもたらす介入を促進するのに役立つ可能性がある。
ニュースソース
Sanjay Basu(Waymark, San Francisco, California), et al.: The Risk Of Perpetuating Health Disparities Through Cost-Effectiveness Analyses.
Health Affairs VOL. 43, NO. 8 : https://doi.org/10.1377/hlthaff.2023.01583
キーワード
#費用対効果
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