アイルランドにおける医薬品償還のためのマネージド・アクセス・プロトコル

アイルランドの医療サービス運営を担当するHealth Servic eExecutiveは、医薬品の支出を管理するために医療技術マネジメント(Health Technology Management: HTM)イニシアティブを導入している。HTMイニシアティブの一つとして、マネージド・アクセス・プロトコル(Managed Access Protocols: MAPs)がある。MAPは、高額医薬品へのアクセスを支援すると同時に、支払者に監視、ガバナンス、予算の確実性を提供するものである。2023年12月までに、アイルランドでは28の医薬品がMAPの対象として償還されている。

論文は、リラグルチド(liraglutide/Saxenda®)、デュピルマブ(dupilumab/Dupixent®))、カルシトニン遺伝子関連ペプチドモノクローナル抗体(calcitonin gene-related peptide monoclonal antibodies)のケーススタディを用いながら、MAPの開発と運用について紹介している。

MAPは、医薬品の償還支援に付随する適格基準を課すものである。適用される基準には、処方権限、臨床診断基準、重症度基準、前治療ライン、併用治療、転帰データ収集、償還請求システム内の検証などのコントロールが含まれる。基準の選択は各医薬品に固有であり、医療技術評価報告書で強調された不確実性の領域、例えば、治療における位置づけ、人口、治療期間など、販売承認者との商業上の取り決め、決定権者による具体的な勧告によって決定される。  概説した3つのケーススタディを通じて、2023年9月には3000人以上の患者が慢性疾患の新規治療にアクセスしている。マネージド・アクセス・プロトコルは、アンメット・ニーズが最も高い場所へのアクセスを可能にする一方で、コミットされた資金と利用・支出を一致させることで、支払者にある程度のコスト確実性を提供することができる。

 

ニュースソース

Claire Gorry(MedicinesManagementProgramme,HealthServiceExecutive,TrinityCentreforHealthSciences,StJames’sHospital,Dublin),etal.:UtilisingHealthTechnologyAssessmenttoDevelopManagedAccessProtocolstoFacilitateDrugReimbursementinIreland.
ApplHealthEconHealthPolicy. 2024Aug12. doi:10.1007/s40258-024-00904-1. Onlineaheadofprint.

 

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2024年8月20日
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