米国非営利団体QALYに代わる尺度を提案

健康的な老いと公平なケアへのアクセスの実現を目指す非営利団体、Alliance for Aging Researchは、2024年8月27日に質調整生存年(Quality Adjusted Life Year: QALY)に代わる新たな尺度を提案した1)。この団体は、以前からQALYを「差別的」と指摘しており、新たな尺度の必要性を訴えてきた。今回のレポート「A New Framework for Quantifying Healthcare ValueUsing Real-Word Evidence」は、ミリマンにより作成されたもので、本団体は、新たな「合理的で、実用的な代替尺度としてのStandard of Living Valuation (SoLV)を開発した」としている2)。

新たな尺度は、教育、住居、食事、家族支援、余暇活動など、平均余命に関わる重要な要素である生 活水準を活用することで、新しい枠組みがより効果的なものになる可能性を指摘し、以下のSoLVフレームワークを提案している:
・世帯収入の差と健康アウトカムを関連付ける。
・価値評価のために実際の言葉によるエビデンス評価を用いる。
・社会経済的、健康格差研究に価値を結びつける方法論

(坂巻コメント:QALY計測において、高齢者や肉体的・精神的弱者において効用値・QOL値を割り引いた値を使うことが「差別的」とする意見にも、一定の合理性はあると考える。ただし、世界的に広く使われ、間接的にQALY(正確には「効用値・QOL値」)を計測できるQOL質問票が広く使用されている現状を変えることは困難と思われる。)

 

ニュースソース

  1. Alliance for Aging Research:Report: Novel Alternative to QALYs. (Published August 27, 2024)
    https://www.agingresearch.org/news/report-novel-alternative-to-qalys/
  2. Inc.: Report-A new framework for quantifying healthcare value using real-world evidence.
    https://www.milliman.com/en/insight/new-framework-healthcare-value-real-world-evidence

 

キーワード
#QALY

2024年9月2日
このページの先頭へ戻る