世界保健機関(World Health Organization:WHO)は、2024年9月25日、より効果的で公平な臨床試験のための新たなグローバルガイダンスを発表した。このガイダンスは、新しい、安全で効果的な保健介入を、より早く、世界中の人々がよりアクセスしやすく、手頃な価格で受けられるようにするため、保健科学を発展させる国主導の研究開発エコシステム(R&D ecosystem)の強化を支援することを目的としている。
高所得国(high-income countries:HICs)と中低所得国(ow- and middle-income countries:LMICs)の間の世界的な格差は、臨床試験における深刻な不平等につながっている。また、妊婦を対象とした臨床試験は5%未満で、小児を対象とした臨床試験はわずか13%であった。 これはエビデンスの質を低下させ、ケアや介入へのアクセスに影響を与えている。そのため、ガイダンスでは、妊娠中や授乳中の女性には特有の医療ニーズがあることを考慮し、試験を設定するための実際的な考慮事項が含まれている。
ガイダンスは、研究が可能な限り広範な人々に利益をもたらすよう、試験参加者の多様性を改善することを目的としており、また、より良い意思決定を支援し、ヘルス・イノベーションへのアクセスを加速させ、より強固で効果的な国内および国際的な保健研究環境を構築するために、持続可能な資金調達を通じて各国の研究開発エコシステムを強化することを目指している。WHOが、各国規制当局向けに臨床試験に関する勧告を行うことは初めてとのこと。
ニュースソース
World Health Organization:New global guidance puts forward recommendations for more effective and equitable clinical trials.
https://www.who.int/news/item/25-09-2024-new-global-guidance-puts-forward-recommendations-for-more-effective-and-equitable-clinical-trials
(ガイダンス全文は、以下で閲覧可)
/https://iris.who.int/bitstream/handle/10665/378782/9789240097711-eng.pdf
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