英国の任意価格制度の実施に係る状況-ラウンドアップ会議

英国保健省Department of Health & Social Careは、2024年10月4日、7月22日開催の「ブランド医薬品の価格・アクセス・成長のための自主的スキーム(voluntary scheme for branded medicines pricing, access and growth:VPAG)」に関する会議の議事録を公開した1)。一方、英国の製薬業界団体であるAssociation of the British Pharmaceutical Industry:ABPIは、英国の新しい自主的な価格設定スキームの実施は「我々が望むよりも時間がかかっている」とし、問題解決に向けた作業が進行中であると述べている2)。

VPAGは、2023年11月20日に英国政府とABPIとの間で合意された5年間の自主的スキームである。英国のNHSに先発医薬品を製造・供給する企業は、法律により、いわゆる「法定スキーム」と「任意スキーム」の2つの薬価管理スキームのいずれかに参加しなければならないこととなっている。しかし、各企業は任意スキームに参加することで、法定スキームからの脱退を選択することができる。法定スキームは2024年に向けて更新される予定で、両社は継続的な会議を持っている。

VPAGには多くの財務的、非財務的要素がある。そのうちの財務的要素がリベートであるが、リベート率は、製品グループ単位(場合によっては製品単位)で設定され、企業が商品化する製品の種類によって異なる。リベート率は製品グループ単位(場合によっては製品単位)で設定され、企業が商品化する製品の種類によって異なるため、リベート方式についての合意に時間がかかっていると推測される。一方、非財務的要素としては、国立医療技術評価機構(NICE)が使用する標準的な費用対効果の閾値の見直しが含まれる。

 

ニュースソース

  1. Department of Health & Social Care:Transparency data-22 July 2024 minutes.
    https://www.gov.uk/government/publications/the-2024-vpag-operational-review-22-july-2024/22-july-2024-minutes
  2. Association of the British Pharmaceutical Industry:The first six months of the 2024 Voluntary Scheme.
    https://www.abpi.org.uk/media/blogs/2024/october/the-first-six-months-of-the-2024-voluntary-scheme/
  3. UK Government: Policy paper-2024 voluntary scheme for branded medicines pricing, access and growth.
    https://www.gov.uk/government/publications/2024-voluntary-scheme-for-branded-medicines-pricing-access-and-growth

 

キーワード
#英国
#薬価制度

2024年10月13日
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