オーストラリア医薬品庁(Therapeutic Goods Administration:TGA)は、レカネマブ(LEQEMBI)をアルツハイマー病および軽度アルツハイマー型認知症(早期アルツハイマー型認知症)による軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment:MCI)患者の治療薬として登録しない決定を下した1)。
TGAのホームページによると、レカネマブの実証された有効性がこの医薬品の使用に関連する安全性リスクを上回らないという理由で、登録しないことを決定したとする。臨床試験データでは、LEQEMBIを投与された患者はプラセボを投与された患者と比較して疾患の進行が抑制されたことが実証されたが、この差は意味のある臨床上の有益性を提供したり、関連する安全性リスクを上回るほど有意ではないと判断した。 特に、LEQEMBIを投与された患者においてアミロイド関連画像異常( amyloid-related imaging abnormalities:ARIA)が頻繁に発生することを考慮したとしている。
7月には、欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)の医薬品委員会が承認に否定的な見解を採択2)しているほか、英国も、8月にレカネマブのベネフィットは小さすぎると判断している3)。
ニュースソース
- Therapeutic Goods Administration:TGA’s decision to not register lecanemab (LEQEMBI).
https://www.tga.gov.au/news/news/tgas-decision-not-register-lecanemab-leqembi - European Medicines Agency:Leqembi.
https://www.ema.europa.eu/en/medicines/human/EPAR/leqembi - 英国NICEは、レカネマブのベネフィットは小さすぎると判断( 2024年08月23日掲載)
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#レカネマブ
2024年10月23日