2024年10月10日オンライン掲載の論文。多くの場合、査読者の利益相反の開示が公開されていることはまれであるが、一流の医学雑誌の査読者は、その学術的な専門性から業界とのつながりがある可能性がある。そこで、本研究では、米国の主要医学雑誌の査読者に対する医薬品・医療機器メーカーからの支払いの特徴を明らかにすることを目的とした。
方法は、BMJ、JAMA、Lancet、NEJMの4誌の査読者を特定し、2020年から2022年の間に特定された査読者への一般的な支払いと研究費の支払いをOpen Paymentsデータベースから抽出し、医薬品・医療機器メーカーからの支払いを捕捉した。
結果は、重複を含む7021名の査読者のうち、米国内の医師1962人のユニークな査読者が抽出され、2020年から2022年の間に、1155人の査読者（58.9%）が少なくとも1件の業界からの支払いを受けており、半数以上（54.0％）の査読者が一般的な支払いを受け、31.8％が研究費の支払いを受けていた。総額では、10億6,000万ドルの業界からの支払いを受けており、その内訳は個人または所属機関への支払いが10億ドル（94.0%）、一般的な支払いが6,418万ドル（6.0%）であった。
考察として、査読プロセスにおける産業界の支払いに関する追加調査と透明化が必要である。 限界としては、既存の人間関係が査読論文に関連しているかどうかは不明であること、米国を拠点としない医師以外の査読者や、保険会社やテクノロジー企業などの他の団体からの支払いが把握されていないため、これらの主要ジャーナルの査読者に対する業界からの支払いが過小評価されていること、そして、この調査結果は他のジャーナルに一般化できない可能性があることなどが挙げられる。
ニュースソース
David-Dan Nguyen（Division of Urology, University of Toronto, Toronto）, et al.: Payments by Drug and Medical Device Manufacturers to US Peer Reviewers of Major Medical Journals.
JAMA. Published online October 10, 2024. doi:10.1001/jama.2024.17681
（全文は以下で閲覧可）
https://jamanetwork.com/journals/jama/articlepdf/2824834/jama_nguyen_2024_ld_240062_1727972553.95638.pdf
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