Health Affairs、2024年11月26日の記事。
ジェネリック医薬品の新たな用途を研究することは、「Generic Drug Repurposing」と呼ばれ、私たちの薬局の棚にある医薬品の可能性を最大限に引き出すことができる。例えば、抗炎症薬デキサメタゾンのCOVID-19治療薬としての再利用、サリドマイドのハンセン病治療薬や多発性骨髄腫治療薬としての再使用が例示されている。Generic Drug Repurposingには、新薬開発と比較していくつかの利点がある。ジェネリック医薬品は、すでに臨床試験や市販後調査で安全性が実証されているため、研究者は医薬品開発の初期段階を回避し、新たな適応症に対する有効性の実証に集中することができ、医薬品開発にかかる総コストの削減にもつながる。また、Generic Drug Repurposingは、アンメットニーズのある疾患に対する治療法を見つけるための代替手段を提供する。しかし、医薬品の特許が切れた後、医薬品の新たな用途を見つけるためにさらなる研究が行われることはほとんどない。論文では、Generic Drug Repurposingに関心が向かない理由と対策を考察している。
Generic Drug Repurposingに関心が向かない理由として、市場の失敗を上げ、臨床試験のための初期費用が高額であること、それに対しての金銭的インセンティブを与えること、金銭的インセンティブとしてのプル型メカニズム設計を挙げている。さらに、プル型メカニズムのポイントとして、①新たな適応症に対するFDAの承認を「適応拡大」とすること、②報奨金は成功報酬とすること、③米国人口に影響を与えるあらゆる疾患や状態が対象となるものであること、④支払額は医薬品の有効性や標準治療との比較で評価される価値に連動すべきであることとしている。
ニュースソース
Beth Boyer(Duke-Margolis Institute for Health Policy), et al. :Unlocking The Full Potential Of Generic Drugs For Patients.
Health Affairs Forefront, 10.1377/forefront.20241121.391072