【論文】バイオシミラー治療におけるノセボ効果の緩和:システマティックレビュー

バイオシミラー切り替えにおける臨床現場でノセボ効果を最小化するために適用された有用な緩和戦略を評価するためにシステマティックレビューが行われた。特定されスクリーニングされた1617件の記録のうち、60件が組み入れ基準を満たした。 このうち10件(17%)はバイオシミラー切り替えの文脈で実施されたもので、そのうち7件は特にノセボ効果を緩和する戦略を検証したものであった。 バイオシミラー医薬品の切り替え以外の状況で実施された残りの50件の研究では、46件が緩和戦略を検証していた。 その結果、バイオシミラー医薬品のスイッチングの場面で採用できる13の緩和戦略が同定された: (i)オープンな非言語的コミュニケーション、(ii)ポジティブなフレーミング、(iii)共感的コミュニケーション、(iv)妥当性を確認するコミュニケーション、(v)共有された意思決定、(vi)自己肯定感、(vii)ノセボ効果に関する患者と医療従事者の教育、 (viii)バイオシミラーに関する患者と医療専門家の教育、(ix)医療専門家のためのソフトスキル研修、(x)個別化された情報、(xi)支援情報、(xiii)集学的アプローチ、(xiii)スイッチの組織化。

著者らは、患者と医療従事者が切り替え前、切り替え中、切り替え後に利用できる緩和戦略を組み合わせて実施することを推奨しているが、バイオシミラー医薬品のスイッチングにおけるノセボ緩和策を具体的に検証した研究は限られているため、各緩和策の個別または組み合わせの効果について明確な結論を出すことはまだ不可能であることに留意すべきであるとしている。

 

ニュースソース

Elif Car(Department of Pharmaceutical and Pharmacological Sciences, KU Leuven, Leuven, Belgium), et al.: Mitigating the Nocebo Effect in Biosimilar Use and Switching: A Systematic Review.
Pharmaceut Med. 2024 Nov 29. DOI: 10.1007/s40290-024-00541-y. Online ahead of print.

2024年12月3日
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