戸村和希( 昭和大学 大学院 薬学 研究科 病院薬剤学 分野)、 坂巻 弘之、他:日本 における programmed cell death ligand-1 (PDL-1 ) 高発現の進行非小細胞肺がんに対する一次治療としてのペムブロリズマブ単剤療法の費用効果分析
【背景・目的】ペムブロリズマブ単剤療法は、 白金製剤併用化学療法と比べ 非小細胞肺がんNSCLC )患者の 生存期間を改善したが 、 医療費への影響 が 大きい 。 P rogrammed cell death ligand 1 PD L1 tumor proportion score TPS )が 50 以上の NSCLC 患者に対する一次治療を選択する際の医療経済的な根拠を示すため 、 ペムブロリズマブ単剤療法と白金製剤併用化学療法の費用対効果を検討した 。
【方法】PD L1 TPS が 50 以上の進行 NSCLC 患者の臨床経過を示すマルコフモデルを用いて費用効果分析を行った 。 臨床データと効用値は 、 文献値を用い 、 費用は直接費用を算出した 。アウトカムは 、 期待生存年( LYs 、 質調整生存年( QALYs 、 および増分費用効果比( ICER )とした 。
【結果】ペムブロリズマブ群は、 化学療法群と比較して 1 5 8 LYs 、 1 23 QALYs の追加生存を得た 。 費用は 、 7 009 888 円多く要した 。 ICER は 、 4 436 638 円 /LY 、 5 699 096 円 /QALY であった 。 閾値が 750 万円 /QALYs のとき 、 ペムブロリズマブ群が 99 58 で許容された 。
【結論】ペムブロリズマブ単剤療法は、 費用対効果がよく 、 効率的である 。 PD L1 TPS が 50以上の進行 NSCLC 患者に対する一次治療を選択する際の医療経済的な根拠になる 。
出典:
Kazuki Tomura · Hiroyuki Sakamaki · Shuichi Nawata · Hiroo Ishida · Katsumi Tanaka · Mari Kogo: Cost‑effectiveness analysis of first line pembrolizumab monotherapy for high programmed cell death ligand 1 expressed, advanced non‑small cell lung cancer in Japan.
International Journal of Clinical Pharmacy. Accepted: 18 October 2024
DOI:https://doi.org/10.1007/s11096-024-01826-7
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Cost-effectiveness Pembro