米連邦取引委員会(Federal Trade Commission:FTC)は、米国の3大薬局給付管理会社(pharmacy benefit managers:PBM)が多額のリベートを使用する慣行が患者のコストをつり上げ、市場を歪めているとして提訴すると発表した。これについてはウォールストリートジャーナルはじめ米国マスコミがとりあげているが、以下は、ENDPOINTSニュースからの抜粋。
米国上位3社のPBMとその関連企業(CVS HealthのCaremark、CignaのExpress Scripts、UnitedHealth GroupのOptum Rx)の3社でPBM市場全体の約80%を支配しており、がん、HIV、その他の重要な医薬品のジェネリック薬の価格を値上げしている。FTCは、2020年から2022年の間に、FTCが審査した51のスペシャリティ医薬品のうち63%が推定取得コストの100%以上、22%が1,000%以上にマークアップされたとしている。
一方で、PBMがリベートを利用してインスリンの定価を大幅に値引きしているにも関わらず、PBMは大きなリベートにより、患者は高い自己負担額を支払うことを余儀なくされているとする。
(坂巻コメント:日本でもチェーン薬局が二次卸を傘下に置き、リベートを吸い上げるビジネスモデルが増えつつある。薬局が不透明な金儲けの仕組みを作ることを許すべきではない。)
ニュースソース
ENDPOINT News: FTC to sue major PBMs over insulin rebates, claiming they inflated patient cost (by Drew Armstrong, 2025年1月14日-2024年9月20日公開のオリジナル記事をアップデート)、記事全文はサブスクリプションが必要
https://endpts.com/ftc-to-sue-major-pbms-over-insulin-rebates-claiming-they-inflated-patient-cost/?utm_medium=email&utm_campaign=189+-+BIO+CEO+to+join+FDA+reform+panel+CDER+director+departs+Basic&utm_content=189+-+BIO+CEO+to+join+FDA+reform+panel+CDER+director+departs+Basic+CID_51d03ed459e1d1f89a3300858e171222&utm_source=ENDPOINTS+emails&utm_term=in+court
参考記事
- 日本医事新報【識者の眼】「薬価の中間年改定─流通慣行の見直しが先決」https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=25759
- 【論文】スペシャリティ医薬品とPBM(2025年1月13日公開)