ジェネリック医薬品とバイオシミラーの専門誌Generics and Biosimilars Initiative (GaBI) は、2025年1月15日のオンライン記事で世界保健機関World Health Organization:(WHO)が医薬品セクターにおける持続可能性を促進するため、「環境に優しい医薬品規制ハイウェイ」イニシアティブ‘Greener Pharmaceuticals’ Regulatory Highway’ initiativeを立ち上げたことを報じた。
医薬品開発は、温室効果ガス(GHG)排出量が最も多い分野の一つであり、全世界のGHG排出量の約4.4%~4.6%は、製薬業界が毎年実施している数千件の臨床試験によるものである。そこでこのイニシアティブでは、以下を提案している。
1)医薬品の持続可能な製造、包装、流通のための新たな基準の策定
2)特に中低所得国における規制プロセスの強化のためのデジタルツールの活用
3)環境に優しいイノベーションを加速するための手続きの合理化。
製薬部門は、よりクリーンな製造技術の採用、合成プロセスの再設計、製造のための再生可能エネルギーへの投資などにより、環境への影響を軽減することができ、WHOは、グリーンな解決策を促進するために、サプライチェーンにおける透明性と説明責任を高め、持続可能な調達基準を提唱している。
記事では、WHO事務局長補の中谷由紀子博士が、「ヘルスケア製品が環境に与える影響に対処することは急務であり、持続可能な医薬品産業には規制慣行の変革が不可欠であると指摘した。」と強調したとする。(中谷さんは、厚労省からの出向者)
ニュースソース
Generics and Biosimilars Initiative:Greener Pharmaceuticals: WHO’s call for innovative regulatory practices and eco-friendly innovations.
https://gabionline.net/pharma-news/greener-pharmaceuticals-who-s-call-for-innovative-regulatory-practices-and-eco-friendly-innovations