【論文】細胞・遺伝子治療についてFDAとEMAに提出された臨床エビデンスの比較

JAMA Intern Med. 2025年2月3日オンライン掲載。

米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)はこのほど、FDA、欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)、その他の規制当局間で、細胞・遺伝子治療(cell and gene therapies:CGT)申請に関する規制審査を調整し、スポンサーが提出するエビデンスを揃えることを目的としたCollaboration on Gene Therapies Global Pilotプログラムを発表した。

研究では、2023年10月3日時点でFDAとEMAの両方によって承認されたCGTの原出願と追補出願を、両機関のウェブサイトから同定し、治療適応でマッチさせた。さらにClinicalTrials.govの対応する記録からもデータ抽出した。FDAとEMA間、およびClinicalTrials.govとFDAまたはEMA間で臨床試験データの報告が一致している試験の割合を求めた。

15のCGT製品が両規制当局によって承認され、これは両規制当局に提出された20の原申請および追加申請に対応していた。 ほとんどの申請には、希少疾病用医薬品に指定された適応症が含まれていた。 治療領域はがん領域が最も多かった。20の申請で24の臨床試験のデータが示され、そのうち20試験(1申請につき1試験)が両機関に提出された。 全体として、同じ臨床試験エビデンスを報告した試験は4件のみであり、20の申請におけるエビデンス報告の一致率は20%であった。エンドポイントが同等であった19試験中13試験(68.4%)が、FDAとEMAの申請間で有効性のアウトカムについて異なる値を報告しており、そのうち6試験は10%を超えていた。そのほか、論文では、サンプルサイズ、比較対照についても検討している。これらの知見により、CGTに関する規制の世界的な調和に向けた新たなイニシアティブの重要性を浮き彫りにしたする。

ニュースソース
Magdi Elsallab(Harvard-MIT Center for Regulatory Science, Harvard Medical School, Boston), et al.: Comparison of Clinical Evidence Submitted to the FDA and EMA for Cell and Gene Therapies.
JAMA Intern Med. Published online February 3, 2025. doi:10.1001/jamainternmed.2024.7569

2025年2月7日
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