インスリングラルギンのバイオシミラーの市場導入後のオリジネーターとバイオシミラーの価格水準と価格変化を、2013年から2023年までのEuropean Medicine Price Databaseのデータを用い、欧州28カ国について分析した。
調査対象28カ国において、インスリングラルギンのコストは過去10年間で、中央値で21.6%減少した(p<0.001)。 2022年の価格中央値は、先発品であるランタスLantusが9.0ユーロ(IQR8.1-10.4)、バイオシミラーであるアバサグラーAbasaglarが8.9ユーロ(IQR7.6-10.1)、バイオシミラーであるセムグリーSemgleeが7.0ユーロ(中央値7.0、IQR6.8-7.5)であった。 先発品価格はバイオシミラーより高かった(p=0.009)。 バイオシミラーの市場参入は、参入直後(p<0.001)および参入後の長期(p<0.001)の両方において、先発品価格の全体的な有意な引き下げと関連していた。 インスリンの価格と各国の経済指標との間に有意な相関は認められなかった。
バイオシミラーの市場参入後、先発品の大幅な価格低下が観察された。 バイオシミラーのコストの中央値は、国や生産者によって大きな違いはあるものの、先発品よりも低かった。
(欧州各国のインスリングラルギンの価格、価格変化について詳細なデータが示されており、資料として有用)
ニュースソース
Davide Morolla(Centre for Multidisciplinary Research in Health Science, University of Milan):Role of biosimilar introduction on insulin glargine prices: a retrospective analysis in 28 European countries.
BMJ Open. 2025 Jan 30;15(1):e090484. doi: 10.1136/bmjopen-2024-090484.
(オープンアクセス)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/pmid/39890142/