Health Affairs Scholar、2025年1月24日発行記事。抗生物質・抗菌剤の歴史(将来)、現在の抗生物質のパイプラインの状況、AMR関連の死亡率と抗生物質の不足との関係などのデータが示され、MR問題の放置された持続可能な解決策が提言されている。
特に抗生物質の開発状況について: 2000年代にAMRに対する広範な努力と規制改革、R&Dへのインセンティブなどにより、抗生物質パイプラインは目覚ましい復活を遂げ、2024年だけでも4つの抗生物質が承認され、これは2008年から2012年までの全不況期よりも多い、とされている点は興味深い。このデータから、わが国の抗生物質開発の立ち遅れも気になる。
著者による論文要旨
抗菌薬耐性(antimicrobial resistance :AMR)と闘うために、米国ではPASTEUR(Pioneering Antimicrobial Subscriptions To End Upsurging Resistance)法の成立が提唱されている。 しかし、臨床開発中の抗生物質の数や、米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)による新規抗生物質の認可数は、この15年間ですでに著しく増加している。 したがって、経済的な補助金を増やす代わりに、AMRを促進する選択への圧力を減らすために、以下を推奨する:
- 抗生物質の過剰処方を抑制する成果報酬型の仕組みを確立すること、
- 既存の研究開発資金を抗生物質への依存を減らす戦略に集中させること、
- 規制や法律を改正して、AMRのアンメットニーズを対象とする新しい抗生物質を処方できるように、臨床医に抗生物質スチュワードシップの専門的なトレーニングを義務付けること。
また、抗生物質市場を安定させるために、以下を推奨する:
- 既存の抗生物質のインセンティブをより的確に狙うための臨床医による諮問委員会の設立、
- 持続可能な自己資金による抗生物質探索を行う非営利企業の寄附を推奨し、開発の後期段階で産業界と提携できるような分子ベンチ(bench of molecules)を作る。
ニュースソース
Brad Spellberg(Hospital Administration, Los Angeles General Medical Center, Los Angeles), et al.: Sustainable solutions to the continuous threat of antimicrobial resistance.
Health Affairs Scholar, Volume 3, Issue 2, February 2025, qxaf012, https://doi.org/10.1093/haschl/qxaf012 (Published: 24 January 2025)
(オープンジャーナル)https://academic.oup.com/healthaffairsscholar/article-pdf/3/2/qxaf012/61616333/qxaf012.pdf