オーストラリアTGAは、ケレンビの登録拒否を最終決定

オーストラリア医療製品管理局(Therapeutic Goods Administration:TGA)は、2024年10月、TGAはレカネマブlecanemab(LEQEMBI)をアルツハイマー病および軽度アルツハイマー型認知症(早期アルツハイマー病)による軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment: MCI)患者の治療薬としてオーストラリア治療薬登録(Australian Register of Therapeutic Goods: ARTG)に登録しない決定を下した1)。その後、エーザイ・オーストラリア社は、1989年治療品法(Therapeutic Goods Act 1989)第60条に基づき、lecanemab(LEQEMBI)をARTGに登録しない決定の再考を要請したが、2025年3月3日、TGAは、医薬品の安全性と有効性が、その使用が提案された目的(治療適応)において、入手可能な証拠によって十分に確立されていないという理由で、LEQEMBIを登録しないという最初の決定を確認した2)。

エーザイ・オーストラリア社が提案した治療適応症の対象となるすべての集団で、LEQEMBIを投与された患者がプラセボを投与された患者と比較して、疾患の進行をある程度遅らせるとしたが、TGAの判断は異なる。具体的には、ApoE4ヘテロ接合体キャリア患者に対する未解決の安全性懸念は解決されていないとし、TGAはApoE4非保有者のみに限定する狭い適応を提案した。エーザイはApoE4ヘテロ接合体を専門医の管理下で治療する代替案を提案したが、TGAはこれを拒否し、その結果、オーストラリアにおいてLEQEMBIの非登録が決定した。

エーザイは、オーストラリアのAD患者がレカネマブにアクセスできるよう、行政審判所への審査請求を含めた選択肢の検討を、3月3日に公表している3)。

欧州では、企業の主張通り、レカネマブは推奨されているEMA 早期アルツハイマー治療にレケンビ使用を推奨(2024年11月15日)。

一方、英国の国立医療技術評価機構 (National Institute for Health and Care Excellence:NICE)も、2025年3月6日に、lecanemab とdonanemabの早期アルツハイマー症への使用を推奨しないガイダンス案を公表した4)。

 

 

ニュースソース

  1. Therapeutic Goods Administration:TGA’s decision to not register lecanemab (LEQEMBI)(2024年10月16日の最初の決定)
    https://www.tga.gov.au/news/news/tgas-decision-not-register-lecanemab-leqembi
    (参考:オーストラリア規制当局は、レカネマブを治療薬として登録せず(2024年8月23日))
  2. Therapeutic Goods Administration:TGA confirms decision to not register lecanemab (LEQEMBI).
    https://www.tga.gov.au/news/news/tga-confirms-decision-not-register-lecanemab-leqembi
  3. Biogen: Eisai Receives Regulatory Review Outcome for Lecanemab as a Treatment for Early Alzheimer’s Disease in Australia
    https://investors.biogen.com/news-releases/news-release-details/eisai-receives-regulatory-review-outcome-lecanemab-treatment
  4. News―Lecanemab and donanemab: NICE reconsiders controversial Alzheimer’s drugs.
    BMJ 2025; 388 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.r463 (Published 07 March 2025)

 

2025年3月11日
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