英国の新薬系の製薬業界団体Association of the British Pharmaceutical Industry:ABPIは、2025年3月10日、「イングランドにおけるNHSの医薬品支出を理解する」とのホームページを公開した。NHS Business Services Authority (BSA)のデータから、NHSの医薬品支出について何がわかるか、これらのコストがどのように分類されるか、また、業界の支払いがどのようにNHSの医薬品支出の真のレベルを形成しているか、そしてこれが患者にとって何を意味するかについて論じている。
NHS BSAデータリリースでは、医薬品、器具、医療機器に対するNHSの支出について詳細な調査が行われており、企業による政府への医薬品販売代金の支払いを考慮した後の2023/24年の支出総額は199億ポンドと報告されている。しかし、この数字には、Voluntary Scheme for Pricing, Access, and Growth :VPAG)に基づく産業界からの支払いが含まれておらず、注意した分析が必要であるとする。
VPAGに基づく産業界から政府への返済額は、2025年には35億ポンドに達し、過去最高の返済額となり、このうち28億ポンドがイングランドのNHSに還流することになると予想されている。そのほかのキーポイントは以下の通り。
- イングランドの医薬品、器具、医療機器に対するNHSの支出は2023/24年に199億ポンドに達したが、産業界から政府への払い戻しやその他の財務調整が含まれていないため、この数字はNHSの実質的なコストを反映していない。
- 英国におけるブランド医薬品の売上高は、2023/24年には146億ポンドに成長したが、VPAG(Voluntary Scheme for Pricing, Access, and Growth)の下では、売上高が事前に合意された上限を超えると、業界から政府への支払いが増加する。 2025年については、これらの支払額は当初の予測より35億ポンド-10億ポンド増えると予想されている。
- NHS BSAの発表では、VPAGとその前身であるVPASの下で製薬会社が支払った多額のリベートは考慮されていない。
- NHSの医薬品支出は増加しているように見えるが、英国は比較可能な国々と比べて医薬品への支出割合がまだ少ない。 英国の価格設定モデルと医薬品への投資不足は、革新的な治療法への患者のアクセスを制限し、英国産業への投資も制限している。
- NHSの医薬品支出データの透明性を確保する必要があり、その中には、その対象、産業界からの支払いの影響、NHSの資金調達決定への影響などが含まれる。
(坂巻コメント:日本の医薬品償還の仕組みは、英国よりはるかに透明性が高い。)
ニュースソース
Association of the British Pharmaceutical Industry:Understanding NHS medicines spending in England.
https://www.abpi.org.uk/media/blogs/2025/march/understanding-nhs-medicines-spending-in-england/