市場調査会社IQVIAは、2025年1月24日、2024年欧州におけるバイオシミラー競争の影響を公表した。同ホワイトペーパーは、毎年公表されている。本レポートは、2024年の市場環境に関する新たな見解と、欧州23市場におけるバイオシミラーの影響を監視するための主要業績評価指標(KPI)で構成されているとされる。主な分析結果は以下の5項目にまとめられている(坂巻によるまとめ)。
Observation 1: パイプライン
2030年までに69品目の生物学的製剤が特許切れを迎えるが、バイオシミラーが開発中なのは29%にとどまる。特に年間売上5億ユーロ未満の低価値製品が多く、開発インセンティブが乏しい。一方、高売上製品ではバイオシミラーの開発が活発である。
Observation 2: 節約効果
特許切れによる累積節約機会は2024~2030年で280億ユーロと見込まれるが、開発中のバイオシミラーが不足しており、最大38%の節約機会が失われる恐れがある。国別ではドイツやポーランドで顕著である。
Observation 3: 競争環境
市場競争の度合いは特許切れからの年数と必ずしも相関せず、医療制度や調達方式により国ごとに異なる。バイオシミラーの供給企業は欧州以外にも拡大しており、パートナーシップも増加。市場は成熟していても動き続けている。
Observation 4: 商業的成功
発売から5年以上経過したバイオシミラーの約7割が商業的に成功しているが、低価値製品では採算が取れず、開発が進みにくい。一方、米国など他地域での市場拡大により投資環境は多様化している。
Observation 5: 将来の指標
今後のバイオシミラー市場の健全性を見極めるには、「開発状況」「投資回収」「企業特性」「先発品の利用状況」といった先行指標を重視すべきである。過去の成功に依存せず、将来のリスクと機会を見据えた政策対応が必要である。
ニュースソース
IQVIA:White Paper ”The Impact of Biosimilar Competition in Europe 20242.
https://www.iqvia.com/library/white-papers/the-impact-of-biosimilar-competition-in-europe-2024