米国および30カ国以上のバイオテクノロジー企業、学術機関、州立バイオテクノロジーセンター、関連団体を代表する世界最大の業界団体であるバイオテクノロジー・イノベーション機構（Biotechnology Innovation Organization：BIO）は、2025年3月26日、トランプ関税が米国のバイオテクノロジー企業、関税は治療薬へのアクセスを妨げ、イノベーションを阻害すると警告する文書を公開した。
BIOの調査によると、米国のバイオテクノロジー企業の90％近くが、FDA承認製品の少なくとも半分を輸入部品に依存しており、米国の患者や家族のための医薬品供給は、EU、中国、カナダに対する関税案の影響を特に受けやすいとする。また、関税は次のような影響を与えるとしている。
- 安価な医薬品へのアクセスを減少させる：EUからの輸入に関税がかけられると、バイオテクノロジー企業の実に94％が製造コストの高騰を予想している。
- 医療イノベーションの停滞：EUに提案された関税は、50％の企業に新たな研究・製造パートナーの確保に奔走することを強いるだろう。 調査対象者の半数は、規制当局への申請をやり直すか、あるいは遅らせる可能性があり、技術革新のペースを危うくすると述べている。
- レッドテープの作成：突然の関税に直面した場合、バイオテクノロジー企業の80%は、代替サプライヤーを見つけるために少なくとも12ヶ月、驚くべきことに44%は2年以上を必要とすると報告している。
「この調査は、提案されている関税が、バイオテクノロジー産業、生物医学研究、そして患者に対して、広範囲に及び、潜在的なダメージを与えることを示しています。私たちは、アメリカ国内での医薬品製造を奨励する強力な政策とプログラムを全面的に支持します。 バイオテクノロジーのサプライチェーンの主要部分を米国と同盟国に再移管し、米国の製造基盤を強化することは、国家と経済の安全保障の両方にとって最優先事項であるべきです。 しかし、この転換には何年もかかり、私たちはこの関税案がもたらす悪影響に留意する必要があります。 私たちは、米国バイオテクノロジー製造業のルネッサンスに拍車をかけるために、民間セクターの資金を促進するインセンティブや政策を開発するために、政権や議会と協力することを楽しみにしています。」と述べる。
ニュースソース
Biotechnology Innovation Organization：New survey: U.S. biotechs warn tariffs could impede access to cures, stifle innovation（March 26, 2025）
https://www.bio.org/press-release/new-survey-us-biotechs-warn-tariffs-could-impede-access-cures-stifle-innovation?utm_campaign=the_readout&utm_medium=email&_hsenc=p2ANqtz-_3a8mxbcnQaBKbE8skmbbOWlo3ldlTlHs1wXDAuYoVVoEej15o5wOhwzk2SeEunx1hCO_MzoUfS0AOktqrO-sHnNfYcaqPeeZCAwIUWEE7dtB9UTw&_hsmi=355050190&utm_content=355050190&utm_source=hs_email