FDA 医薬品不足管理マニュアルを更新(1月26日)

FDAは、2024年1月26日、医薬品供給不足管理(Drug Shortage Management)のための方針・手続きマニュアル(Manual of Policies and Procedures:MPP)を更新した。米国FDAにおける医薬品不足管理は、薬品評価研究センター(Center for Drug Evaluation and Research: CDER)の中の医薬品不足スタッフ(Drug Shortage Staff:DSS)が担当しており、MPPは、DSSを含む、CDERのオフィスおよび部門における責任と手順を定めている。
MPPでは、DSSの役割や責任も示されている。例えば、

  • 民間企業、他のFDAセンター、疾病管理予防センター(CDC)や国防総省(DoD)を含む(ただしこれらに限定されない)他の政府組織との連絡窓口としての役割を果たすこと。
  • 医薬品の医療上の必要性を含む医薬品不足に関する情報を共有し、影響を受ける製品のリスク・ベネフィットを考慮した勧告を作成し、医薬品不足に対処する計画を策定するために、医薬品不足管理またはサプライチェーン監視の責任を有するCDERやそのスタッフ、他のFDAオフィス、産業界、外部団体と協力し、医薬品不足関連情報の特定・検討を行い、米国以外からの製品供給も監視する、など。

MPPでは、関係する各部門の責務と部門間のコミュニケーション方法などについて具体的に記載されている。主な責務は以下の通り。

  • 規制プログラム担当局アソシエイト・ディレクター:DSSの監督
  • CDER新薬局(OND):ジェネリック以外の不足対応
  • CDER医薬品品質管理局(OPQ):品質、サプライチェーン対応など
  • OPQ医薬品不足コーディネーター(DSC):不足緩和対応など
  • CDER Office of Compliance (OC):出荷調整など
  • CDERジェネリック医薬品局(OGD):規制上および科学上の問題の予防、緩和、解決
  • OGD医薬品不足コーディネーター(DSC):導および専門知識の提供
  • その他の部門については割愛するが、海外からの緊急輸入などが含まれる。

日本の厚労省は、「医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議」において「医薬品等の安定供給確保に係るマネジメントシステム」なるものを提案している。FDAのMPPを読むと、安定確保については様々な対応策を迅速に講ずる必要があり、厚労省の責任体制の検討も必要と考えられる。

ニュースソース

FDA: Manual of Policies and Procedures. Drug Shortage Management.  https://www.fda.gov/media/72447/download

 

キーワード
#FDA
#供給不足方針・マニュアル

2024年5月1日
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