2024年7月1日 Health Affairs誌掲載論文
(掲載誌による抄録)
医薬品原薬(API)のグローバルサプライチェーンは特定の国に高度に集中しており、サプライチェーン・ショックの影響を受けやすい。しかし、公衆衛生上の緊急時にリスクを管理し、公平な供給継続を確保するための体系的なモニタリングやグローバルな調整は行われていない。本研究では、出荷レベルの通関データを用いて準実験的手法を適用し、インドから輸出された原薬の価格と輸出量がCOVID-19の流行によってどのような影響を受けたかを明らかにした。
その結果、COVID-19に使用されなかった主要な必須医薬品の原薬価格は、世界保健機関(WHO)のパンデミック宣言の翌年も大きな変化はなかったが、輸出量は80パーセント減少した。ヒドロキシクロロキンやイベルメクチンなど、COVID-19に再利用されると推測される医薬品の価格は、再利用されない医薬品の価格と比較して250パーセントも上昇したが、イベルメクチンだけは数量が減少した。原薬市場の体系的な監視、供給の多様化を促進するための投資、価格投機を抑制するための法的・政治的改革は、サプライチェーンの強靭性を支え、医薬品へのアクセスを保護する可能性がある。
ニュースソース
Melissa Barber(Yale University, New Haven, Connecticut.), et al. : Estimating The Effects Of COVID-19 On Globalized Markets For Active Pharmaceutical Ingredients.
Health Affairs. https://doi.org/10.1377/hlthaff.2023.00722
キーワード
#サプライチェーン
#COVID-19