EMA、不足緩和に関するガイドラインを発表

2024年12月9日、欧州医薬品庁( European Medicines Agency:EMA)と欧州医薬品規制首脳会議(Heads of Medicines Agencies:HMA)は、医薬品メーカーが不足緩和計画(shortage mitigation plans:SMP)と不足防止計画(shortage prevention plans:SPP)をどのように実施すべきかについて、より詳細な情報を提供する2つのガイドラインを発表した。すでに、11月下旬にEMAは製造販売業者に対し、一元的に承認された製品の欠品を報告するための新しい欧州欠品モニタリング・プラットフォーム(European Shortages Monitoring Platform: ESMP)を立ち上げている(EMA、持続的な医薬品不足に取り組むため、欧州の医薬品不足モニタリングプラットフォームを立ち上げ)。

 

不足緩和計画(shortage mitigation plans:SMP)

不足緩和計画は、製品の継続的な供給可能性に対するシグナルとリスクを正式に特定し、その緩和のための手順を実施する」ものである。ガイドラインでは、企業(marketing authorization holders:MAH)は特定の品不足を管理するための、品不足の特定から解決までのステップを概説する手順を確立すべきであると規定している。 これらの手続きは、欠品の影響、規制当局への通知、フォローアップ措置を評価すべきである。また、ガイドラインによれば、SMPの策定には、企業の上位階層、特にサプライチェーンにおける特定された欠陥に対処する権限と資源を有する者が関与することが不可欠であるとされる。SMPでは、MAHが不足を認識した場合、管轄当局に直接提出しなければならない。ガイドラインでは、SMPの実施方法、SMPテンプレートの記入方法、医薬品不足報告書に提出すべき情報、不足に対処するためにMAHが講じた緩和措置の有無や計画について述べられている。

 

不足防止計画(shortage prevention plans:SPP)

不足防止計画は、サプライチェーンにおける潜在的なリスクと患者への影響を特定するためのものである。ガイドラインはさらに、SPPの作成に企業の「上位階層」を関与させることを推奨している。SPP に含まれる情報は所轄官庁のみが使用する。ガイダンスでは、SPPテンプレートの記入方法、リスクアセスメントの記入方法、欠品のリスクを最小化するために実施されているリスクコントロール戦略の特定、EUの重要医薬品リストに含まれる医薬品の特定方法などを取り上げている。

 

ニュースソース

  1. European Medicines Agency, Heads of Medicines Agencies: Guidance for industry on implementing Shortage Mitigation Plans (SMP).
    Guidance for industry on implementing Shortage Mitigation Plans (SMP)
    https://www.ema.europa.eu/en/documents/other/guidance-industry-implementing-shortage-mitigation-plans-smp_en.pdf
  2. European Medicines Agency, Heads of Medicines Agencies: Guidance for industry on implementing Shortage Prevention Plans (SPP)
    https://www.ema.europa.eu/en/documents/other/guidance-industry-implementing-shortage-prevention-plans-spp_en.pdf

 

2024年12月10日
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