EMAは、潜在的な放射性医薬品の不足対策を勧告

欧州医薬品庁(European Medicines Agency :EMA)と医薬品庁長会議(Heads of Medicines Agencies:HMA)は、2025年4月14日、欧州における放射性医薬品のサプライチェーンの現状と不足を防ぐために関係者が取るべき行動に関する文書を発表した。放射性医薬品は、がんなどの病気の診断や治療に使用される。

放射性医薬品の生産は、主に第三国から調達される安定同位体やその他の材料に依存している。これに対し、欧州委員会、加盟国、製造業者、そしてEMA自身が取ることができる推奨事項を挙げている。一つ目は、EU域内で放射性医薬品の生産を増やす手段を開発することであり、同時に老朽化したインフラを改善し、欧州の原子炉などの生産施設を強化することである。二つ目は、国間で認証手続きや基準を調和させることにより、放射性物質の輸送における複雑な課題に対処することである。包括的な勧告として、加盟国は放射性医薬品のサプライチェーンをマッピングし、輸送ソリューションを調整し、市場に登場する新しい放射性医薬品を監視すべきであるとされる。

(坂巻コメント:放射性医薬品は、製造に加え、放射線被ばくのリスクからサプライチェーンにおける不足リスクが特有である。日本では、放射性医薬品安定供給対策は議論されていない。)

 

ニュースソース

2025年4月16日
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